HUGフォーラム講演者インタビュー (前編)
- 連P
- 2019年6月14日
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令和元年6月23日に宇治田原町総合文化センターにて、令和元年度 やましろ未来っ子みんなでHUGフォーラムが開催されます。宇治市連合育友会は、このフォーラムに講演として招かれましたNPO法人 D.Liveの副理事 得津秀頼様に事前インタビューを実施。講演の 内容やD.Liveの活動について話をしていただきました。
(聞き手:宇治市連合育友会 会長 雪浦淳平)
――本日はありがとうございます。まずは自己紹介をおねがいします。
NPO法人D.Live(ドライブ)の得津(とくつ)といいます。D.Liveという団体は、子どもの自尊感情を支える団体です。自尊感情というのは、自分は自分で大丈夫だとか、自分が好きだとか、自分をこのままでいていいんだ、みたいな気持ちのことです。この気持ちが低下したまま大人になると、例えば就活の時にお祈りメール(落選メールのこと)をたくさんもらって落ち込んだり、酷い場合だったら自殺したりする。そういうのを解決したいなと思っています。僕らが法人を⽴ち上げようと思った当時(2012年)は子どもの自尊感情にアプローチする団体がなかったんですね。だからこそ、子どもの自尊感情を支える団体を作ろうと思って始めたのがきっかけです。
――D.Liveではどういった活動をしていますか?
事業としては子ども向けの居場所を三つやってます。ひとつは不登校の子ども達が通えるフリースクール昼TRY部。 もうひとつは草津市に住んでいる一人親家庭の中学生だけが通えるTudoToko(つどとこ)。ここは、こども食堂のような居場所です。一緒に勉強をしたり、仲間作りの活動をしたり、町の⺠生委員さん達がつくってくれたおいしいご飯をみんなで食べるみたいなことをしています。
最後はTRY部という教室をやっています。これは、毎週月曜の夜にやっている教室で、一週間の生活の振り返りをする塾です。生活を振り返って来週はどんな風にすごしたいか⽬標を⽴て、一週間をすごす。また一週間後に教室に来て、一週間経って目標を実現したかどうかを⾒直してということを繰り返しています。 あとは保護者さんや地域の大人の方に向けてに自尊感情や思春期の子どもとの関わり方について講演をしています。

――D.Liveの代表に出会ったきっかけは?
mixiですね。もう10年近く前になります。当時、代表がmixiに書き込んでいたことに共感して、会いたいと思って連絡しました。代表と話して意気投合し、学生団体D.Liveを⽴ち上げました。D.Liveは学生団体からのスタートだったんです。
――HUGフォーラムではどういう話をされる予定ですか?
自分は自分で大丈夫という気持ちをもてない子どもや、「自分はダメだ」とか、他人と比べて気持ちが落ち込んでしまう子どもがいることを、背景も含めて知ってもらう機会になればと考えています。その上でお家の人、地域の人が、子どもとどう関わればいいのか、私たちが普段やっていることを話して、皆さんの関わり方の一選択肢に加えてもらえたらと思っています。皆さん、お忙しいなか時間を割いて足を運んでくださるのですから、聞いてよかったなと思えるように経験談や失敗した話もたくさん話すつもりです。
――フリースクールもされているそうですが、D.Liveの教室に通う子どもは不登校の子どもばかりなのでしょうか。それと、どのような流れで教室に入塾されるのでしょうか。
どの教室でも、不登校もいればそうでない子もいます。入塾までの流れですが、まずは保護者さんや子どもと一対一で面談します。面談で気に入ってくれたら体験します。体験では緊張しながらくる子どもがほとんどですが、教室の子ども達は優しいので、自分から体験の子どものそばに寄ってきて一緒に遊んで、なじみやすい雰囲気をつくってくれます。
――学校には無理でも、こちらには来られるんですね。それは来たいと思ってくれているからですか?
学校にいけない原因はいっぱいあります。D.Liveの教室に来る子どもは、いじめられたとか先生が苦手とか、学校の雰囲気が合わないというのがあります。私たちの教室は学校ではないし、スタッフも先生でもないです。近所の兄ちゃん姉ちゃんみたいな感じで関わるから、ここなら来ようかなと思ってくれているみたいです。
――そういった流れで塾に通うようになって、いずれは学校にもいってみようかという気になってくれるんですか?
子どもの中でエネルギーが溜まれば自然と⾏くと思っているので、学校にいくかどうかは子どもに任せています。こちらは一切学校に⾏けとは⾔わないです。例えばフリースクールだといろんな年代がいるので、先輩が卒業した姿や勉強している姿を見たら後輩も「そろそろ勉強しないとだめだなー」、「学校いかなあかんなー」と思うみたいです。
――学校が苦手な子どもの理由には「先生が苦手」とか「雰囲気がいや」がありますが、具体的にはどんなことがありましたか?
まず先生が苦手な子どもの理由についてですが、先生が運動会や卒業式の指導で怒鳴っているのを⾒ることに恐怖感を感じている子どもはいます。他にも子ども同士のトラブル時に先生がうまく解決できなかったときに不信感を感じるようです。
学校がいやというのは集団の空気感、同じことをするのがいやだとか。たとえば部活を休んだときに、あとから理由を聞かれたりするのが煩わしいと感じる子もいます。勉強がいやという子もいますけどね。
――保護者も不安で相談するところが近くになかったり、⾏く勇気がなかったりという⽅も多いと思います。
そうですよね。私たちが工夫しているのは、ブログで情報をとにかく出すようにしています。「不登校 滋賀」で保護者が検索したときにブログがトップに出てくるようにタイトルを工夫したりだとかですね。ブログでは細かい工夫を重ねて、保護者さんに私たちを見つけてもらって、ちょっとでも相談しようと思ってもらえるよう気持ちを後押しすることを心がけています。
(後編に続きます)
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