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HUGフォーラム講演者インタビュー (後編)

 HUGフォーラム講演者インタビュー。後編では子どもの自信の高め方、子どもとの接し方についてお聞きしました。


――昨年のHUGフォーラムでは子どもの自己肯定感を高めるのが課題になっていました。子どもに自己肯定感を持ってもらうためにはどうすればいいと考えますか?

具体的には、子どもの話を聞くことですね。自己肯定感の伸ばし方をネットで検索すると「とにかく褒めましょう」なんてページも出てきますが、私は褒めなくていいと思います。褒めるって操作的じゃないかなと。小学校でも「静かに出来てえらいね」とか「早く整列できてえらいね」とか、褒める側の下心や意図が言葉に隠れていますよね。そういう大人側の意図や下心に子どもはすごく敏感なので、褒めるよりも相手の話を聞くことを私は大事にしています。これはうちのスタッフやボランティアさんにも徹底しています。


――聞くことが大事だと私も思うのですが、親は子どもの流⾏りは良くわからないし、興味もない。そもそも仕事で忙しいから聞いてあげないと、と思っていても毎日は難しいなと…。

出来る範囲でいいと思います。「今日は2分だけでも聞こう」とかでもいいですし、小さい子どもはスキンシップだけでも十分です。ずっと膝に乗ってきて、それはそれで大変ですけど。

――私の子どもも良く膝にのってきます(笑)

甘えたいんでしょうね。重たくて大変だと思いますが、出来る範囲でいいです。親も先生もご機嫌でいることが一番で、「こうしなきゃいけない」という考えにとらわれると、「子どもの自己肯定感を高められない私はダメだ」と親のほうの自己肯定感が下がっちゃいますから。

――学校は勉強だけの場所ではない、同年代との交流、考えを受け⽌め、共生する空間。その空間自体がしんどい場所になっているのは、子どもにとっても親にとっても不幸だと思います。とはいえ人間すべて同じじゃない。D.Liveやこども食堂という、違う空間にいるのもいいし、それからいずれは学校に戻ってもいいし、また戻らなくてもいいと考えてもいいのでしょうか。

いろいろな場所に一時的にでも通えるって大事なことですよね。自分が安心できる場所でエネルギーを蓄えられると、苦手だった場所に対して戻ることもできますし、別の場所で生きていくこともできます。どの場所を選択するかは、子ども自身が決める⼒を持っていると信じています。

――子どもの希望にそってあげるのも子どもの自己肯定感を高める要因になりますか 。

なります。自分で決めることと、決めたことを尊重してもらえることは自己肯定感につながります。

――進路などいろいろな悩みが聞けるのも学校だと思います。人と関われるならどんな形でもいいと思いますが、不登校のお子さんがいる親も、理想は学校に戻って欲しいと思っているのではないですか?

そう思っている方もおられるでしょうが、私たちに連絡をくださる保護者さんは必ずしも学校に戻って欲しいとは思っていません。学校に戻ってほしいと思っているの不登校初期の段階で、⻑期化したらそうは考えないです。私たちに連絡がくるケースは不登校が長引いているケースが多いので、ニーズとしては学校に戻るよりもどこかとつながって欲しいという気持ちですね。

――私が常に思うのは、第一子が産まれた瞬間に「いまからあなたは親です。子どものために頑張ってくださいね」となるのがキツいなと。もちろん子育ての本を読みますが、何百冊もあってどれが刺さるかわからない。それこそ読まない⽅がいいかもしれない(笑)

わからないですよね(笑)

――自分なりに親を⼗数年続けて思ったことが、⽬をみるのが一番子どもの気持ちがわかることでした。また他の講演で言われたのは、抱きしめることがいいそうです。

そうですよね。子どもを抱きしめるのは自己肯定感を育てるという点からもいいです、小さい子どもは特にそうです。

――HUGフォーラムですけどやっぱりハグがいいですね。

ハグいいですよ、ちょっと恥ずかしいですけどね。

――私の家では、会社に出るときに全員にハグしてからいきます。

めっちゃいいですね!

――いずれは子どもも少しずつ親の手を離れていくんでしょうけど、離れていいと思う反⾯、情報が⼊らなくなると「うちの子は本当に大丈夫なんだろうか?」と不安になるかも。

今のうちから丁寧にスキンシップを取られているようですし、大丈夫じゃないですかね(笑)

――相談なりする環境も、ベースとして作っておかないといざというときに言ってくれないのかもしれない。普段から仕事が忙しくて子どもとの会話が少ないと、何かあったときに親に伝わらないのではないかと。

心配されるお気持ちは分かります。困ったときに相談して欲しいと思っているのであればベースは作る必要はありますね。それこそ話するとか、抱っこするとかでいいと思います。それも出来る範囲でいいし、うまくなくてもいいと思います。

――出来る範囲でいいと

出来る範囲で無理しなくていいです。自分がご機嫌であることが一番です。

――確かに親が楽しくないと子どもも楽しくないですね。

そうですね。不機嫌な人のそばには行きたくないですもんね。ご機嫌であればおせっかいをしようという気持ちが生まれます。このおせっかいは侮れなくて、おせっかいから生まれる行動ってクオリティが高いんですよ。今日はちょっと子どものゲームに付き合ってみようとか、一緒にテレビでも見ようとか、自発的な行為ってご機嫌なときにしか出てこないじゃないですか。だから、つねづねご機嫌であることは大事だなあと思っていますし、子どもと接するときには常に楽しい自分でいます。

――今日はありがとうございました。HUGフォーラムも楽しみにしています。

こちらこそ、よろしくお願いします。

 インタビュー中、得津さんが特に願っていたのは、親がご機嫌でいて欲しいということでした。子どもは親の態度や気持ちを敏感に感じ取り、それを何よりも気にするのだろうと思 います。インタビューを⾏いながら、自分も多くのことを学ばせていただいたと感じました。 HUGフォーラムではどういったお話を聞けるのか楽しみです。参加される皆様におかれましては、是非講演の内容をお友達や同じ学校の保護者の⽅に語ってみてください。それが 誰かの助けに、そして親の学びにつながればいいと思います。


 令和元年6月15日 雪浦淳平


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